【こんな症例も治りますシリーズ 782】『 柴犬の便秘? が治らない 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、 子宮蓄膿症によって便秘が起きたワンちゃんのレントゲン像です。

 

参照サイト:

https://00m.in/eXXLL

 

『 便秘かと思ったら重大な病気が隠れていました!!! 』

 

 

犬 柴犬 4歳 メス(未避妊手術)

 

 

 

【 1週間前から便秘が続いている 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様は『 最近フードを変えたので、その影響かと思う 』と心配してご来院されました。

 

 

 

■ しかし、未避妊手術のメス犬では『 骨盤腔異常や腹腔内異常 』、『 子宮蓄膿症 』などの病気が隠れている可能性もあるため、しっかり検査を行うことにしました。

 

 

 

 

 

◆◆◆ 血液検査・レントゲン・エコーで子宮蓄膿症を疑いました。

 

 

• 血液検査:白血球の上昇(炎症反応)、軽度腎障害、血小板減少を認めました

• レントゲン検査:お腹に子宮の陰影を確認

• エコー検査:子宮内に液体の貯留を確認

 

 

 

これらの所見から 子宮蓄膿症 を疑いました。

 

 

 

 

 

■ さらに、血小板減少が見られたため、DIC(播種性血管内凝固症候群) の併発を考慮し、血液凝固系やDダイマー、TATといった追加検査を実施して確認をしました。

 

 

■ 幸いDICは認められず、手術に進むことができました。

 

 

 

 

 

 

 

★★ 手術は全身状態を安定させてから実施

 

 

 

■ 子宮蓄膿症の治療は 外科手術(卵巣子宮摘出術) が第一選択です。

放置すれば敗血症や腎不全に進行し、命に関わることもあります。

 

 

 

■ 今回は点滴や抗生剤投与で状態を整えたうえで、その日の夜に緊急手術を行いました。

 

 

 

 

 

★★ 術後は順調に回復

 

 

■ 手術後は2〜3日で食欲が戻り、元気も回復。

 

 

■ 便秘も解消し、飼い主様も『 本当に元気になって良かった 』と安心されました。

 

 

 

 

 

 

★★★ 子宮蓄膿症とは

 

 

■ 子宮蓄膿症は 未避妊のメス犬に多い病気 です。

 

 

■ 発情後のホルモン変化により子宮内が細菌感染し、膿がたまってしまいます。

 

 

■ 症状は食欲不振や多飲多尿、元気消失、嘔吐や下痢など。

 

 

■ 分泌物が外に出ない『 閉鎖型 』では発見が遅れることもあり、注意が必要です。

 

 

 

■ 早期発見と外科手術が命を救うカギとなります。

 

 

 

 

 

 

★★★ 最後に

 

 

 

■ 今回の症例では『 便秘 』という一見関係なさそうな症状から、命に関わる病気が見つかりました。

 

 

 

■ しっかり検査を行うことの大切さ を改めて実感させられるケースでした。

 

 

 

■ そして、子宮蓄膿症を防ぐ最も確実な方法は 若いうちに避妊手術をしておくこと です。

 

 

 

■ 気になる症状があれば、どうぞ早めにご相談ください。

 

 

 

 

 

獣医師 土屋 優希哉

 

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